イライラや落ち込みに寄り添う【「自律神経の乱れ」を整えるおすすめの秋の野草④】

些細なことでイライラする。
理由もないのに憂鬱な気分。

そんな時「感情(心・精神)」「思考」コントロールしよう、何とか立て直そうとしていませんか?

そのエネルギーの使い方を「無理をする」と言います。

一時的には対処できても、それが何度も何度も繰り返されていくと、不完全燃焼の感情が心の深い場所に溜まっていきます。

どんな時も、自分を責めたり、
無理をしたりする必要はありません。

東洋医学には「心身一如」という言葉がありますね。
心と体は分かちがたく繋がっており、どちらか一方の不調は、もう一方にも影響を与えます。

「イライラ」も「落ち込み」も本質的に言えば、心が揺らぎは、「本当の自分に気づく」サインです。

今回ご紹介するのは、そんな心の揺らぎを癒し、本来あるべき場所に立ち返らせてくれる野草たちです。

遠い場所にある特別なハーブではなく、
あなたの足元にひっそりと生きる身近な植物たちが、揺らぎがちな心に寄り添い、本来の穏やかな状態へと導いてくれます。

自然と調和した暮らしを願う方にこそ知っていただきたい、自分と向き合うための野草のヒーリングです。

感情を整え、心を静める
秋の野草5選+樹木1選

セイヨウオトギリソウ:心の太陽


ヨーロッパでは古くから、心の不調を癒す野草として親しまれてきました。気分が落ち込んだり、漠然とした不安を感じたりする時、心の奥深くに光を灯すように働きかけ、前向きなエネルギーを与えてくれると言われています。その効果から、海外では「セント・ジョーンズ・ワート」という名で広く知られ、医薬品やサプリメントの原料にもなっています。

  • 薬効成分: ヒペリシンフラボノイドといった成分が、脳内の神経伝達物質に作用し、自律神経のバランスを整え、心を穏やかに保つサポートをしてくれます。
  • 収穫できる場所・環境: 日本の道端や野原に自生するオトギリソウも同じ属の植物です。夏の開花期に、花や葉が元気な地上部を摘み取ります。
  • 安全で手軽な活用法: 乾燥させた全草をハーブティーとして飲むのが一般的です。ただし、医薬品との相互作用があるため、現在病院で処方されている薬がある方は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。特に、日本のオトギリソウとセイヨウオトギリソウは似ていますが、効能や成分が異なるため、混同しないように注意が必要です。

オトギリソウとセイヨウオトギリソウの見分け方

★オトギリソウのとの成分の違い

セイヨウオトギリソウは、ヒペリシンヒペルフォリンといった特有の成分を豊富に含んでおり、これらの成分が抗うつ作用や神経系への作用に関与するとされています。このため、ヨーロッパでは医薬品やサプリメントとして広く利用されています。
一方、日本のオトギリソウもいくつかの研究でヒペリシンを含むことが報告されていますが、その含有量はセイヨウオトギリソウよりもはるかに少ないとされています。また、ヒペルフォリンについてはほとんど含まれていないか、含まれていても微量であると考えられています。

ヘクソカズラ:心の安定剤


ユニークな名前から敬遠されがちですが、古くからその葉や茎は民間療法で活用されてきました。イライラや不安を感じる時に、心のざわつきを鎮めてくれる効果があるという伝統的な利用例が知られています。

  • 薬効成分: 研究によると、ヘクソカズラにはサポニンアルカロイドが含まれています。これらの成分が精神を鎮静させるという明確な科学的根拠は乏しいですが、古くから薬用とされてきました。
  • 収穫できる場所・環境: 秋に丸い実をつけ、その実が熟す時期(9月〜10月)に、葉や実を採取します。道端や生垣、林の縁など、身近な場所で見つかります。
  • 安全で手軽な活用法: 乾燥させた葉や実を、お茶や入浴剤として利用できます。入浴剤として使うと、特有の香りが薄まり、森林浴のようなリラックス効果が楽しめます。また、化粧水として活用するのもおすすめです。(おすすめ:ヘクソカズラの化粧水の作り方

アキノキリンソウ:健胃の野草


秋の野山で、黄金色に輝く花穂を伸ばすアキノキリンソウは、その姿の通り、心に明るさをもたらしてくれるようです。風邪の引き始めや、体がだるい時に、体の中から元気を引き出してくれるという民間療法が伝わっています。

  • 薬効成分: フラボノイドサポニンが含まれており、古くから利尿や健胃作用のために利用されてきました。胃腸の調子を整えることで、心身のバランスを保つのに役立つと考えられています。
  • 収穫できる場所・環境: 山地や日当たりの良い草地、道端に広く自生しています。秋(9月〜11月)に、花や葉を採取します。
  • 安全で手軽な活用法: 乾燥させた全草を煎じてお茶にします。ほんのりとした甘みと香りが、心と体を優しく癒してくれます。

ノビル:実は万能選手


ノビルは、秋に栄養分を蓄えた球根が大きくなります。この球根は、漢方では「薤白(がいはく)」と呼ばれ、体を温め、血行を促進する作用があるとされてきました。体が温まり、血の巡りが良くなることで、自律神経の乱れからくる不調を和らげ、心の安定につながると考えられています。

  • 薬効成分: ニンニクやタマネギと同じ成分の硫化アリルを含み、血行促進や疲労回復効果が期待できます。
  • 収穫できる場所・環境: 日当たりの良い土手や野原、道端に群生しています。秋(9月〜11月)に、球根ごと採取します。
  • 安全で手軽な活用法: 刻んで薬味にしたり、天ぷらにして食用にするのが一般的です。また、乾燥させてお茶にしたり、刻んでお風呂に入れると、血行が促進され、リラックス効果が高まります。

カキドオシ:癒しのハーブ


カキドオシは、地面を這うように広がるシソ科の野草です。その名前は「垣根を通し抜ける」様子に由来します。古くから民間療法では、利尿作用や糖尿病の改善、胆石の予防などに利用されてきました。体内の余分な水分や老廃物を排出することで、心身の巡りが良くなり、気分がすっきりすると言われています。

  • 薬効成分: ゲニポシド酸タンニンなどが含まれており、利尿作用や解毒作用が期待できます。
  • 収穫できる場所・環境: 日当たりの良い道端や野原、庭などに自生しています。秋に、茎や葉を採取します。
  • 安全で手軽な活用法: 乾燥させてお茶にするのが最も手軽な方法です。ほんのり苦味がありますが、酵素やハチミツを加えて飲みやすくすることもできます。お風呂に浮かべて入浴剤として活用すれば、その香りが心地よいリラックスタイムを演出してくれます。

イチョウ:知恵の木


イチョウは樹木ですが、その葉は主にハーブ療法やサプリメントの原料として世界中で活用されています。秋の深まりとともに鮮やかな黄色に染まる葉は、心を和ませてくれます。

  • 薬効成分: フラボノイド配糖体テルペンラクトンが、脳の血流を改善し、集中力の向上に役立つとされ、サプリメントの成分として利用されています。また、血行を促進し、冷えや肩こりにも良いとされ、心身の活力を高めます。
  • 収穫できる場所・環境: 公園や街路樹として広く植えられています。秋に黄色く色づいた葉を採取します。
  • 安全で手軽な活用法: 少量の乾燥させた葉をお茶にしたり、お風呂に入れたりすることで、その癒しの力を取り入れることができます。しかし、生の葉や実には有毒な成分が含まれるため、自家製での利用は十分な知識を持った上で行い、自己責任で少量からお試しください。体質によってはアレルギー反応や出血傾向のリスクがあるため、特に注意が必要です。

★イチョウ茶の作り方

 

【注意】
これらの植物を利用する際は、専門家に指導や書籍等の記載に則って、自己責任で行うようにしてください。また、アレルギーや体調の変化を感じた場合はすぐに使用を中止してください。

治さない(解決しない)でめぐらせる

わたしが野草の世界に足を踏み入れたころ、ただ無心で野草を摘んでいたら、一つのメッセージが飛び込んできました。

「この世界のすべての問題の解決策は、自然界に用意してある」

このメッセージを受け取ったとき、正直驚きました。

でも、このメッセージを確かなものとして受け取り、それが野草と発酵について発信をしようと決意した原点の体験です。

メッセージを受け取った日から20年ほど経ちますが、

自然界に用意されている「解決策」って一体何なのか?

と、毎日そう自分に問い、野草や菌に問い、
野草と発酵ライフを楽しんでいます。

そこで、、今の所ですよ、、
今の所ですが、
自分なりに行き着いた答えがあります。

自然界に用意されている「解決策」とは、
「解決しない」「解決しようとしない」
ことなのではないかと思っています。

もう少し言うと、
「解決しないでめぐらせる」ことです。

表があれば裏があるように、
「問題」と「解決」は必ずセットです。
どちらかが欠けても成立しません。

つまり、「解決策」を求めると、
それに相応しい「問題」が成立するということです。

問題=悪
解決=善

私たちは文明社会を生きる中で、
そういう風に思考してしまうことに慣れています。

しかし、自然界はそうではありません。
善・悪やプラス・マイナスの二元論の次元を超越しています。

野草や菌に触れ、自然界を観察していくと、
解決しようとせず、生きる糧にして、めぐらせているんです。

例えば「除草剤と野草の関係」について、
野草は除草剤が撒かれると、それを無害化したり、
自分たちがまた住めるようにその土地を浄化したりします。
※このメカニズムを利用した環境修復技術を「ファイトレメディエーション」や「バイオレメディエーション」と言います。

自然界の営みによって、
「問題が解決された」と見るのは、私たちの文明的な見方です。

自然界では、
「解決しないでめぐらせる」

自然界における解決策とは「循環と調和」なのではないかと、
今、現時点の私は考えています。

自然界がそうであるように、
良いも悪いも、幸も不幸も、
すべてを「自分を生きる糧」にして、
いのちをめぐらしていきたいと思っています。

ちなみに、
自然界=善 / 文明社会=悪
とは思っていません。

「問題」と「解決」によって、
人類は文明社会を築いていきました。

善も悪も生じさせるのが文明社会であり、
私たち人間の営みです。

それは否定せず、
でも間違っていたなら反省をして進んでいく。

そこに自然界の仕組みである「循環」が加わったものこそ、
真の人間らしさではないでしょうか。

真に人が人らしく生きるということが、
自然界との調和に向かう道だと思っています。

人が人らしく生きるとはどういうことなのか?

野草と発酵ライフを通じて、
人が人らしく生きる道を、
みんなで考え、歩んで行きませんか。

治さない(直さない)でめぐらせる。
それが自然のいのちの循環。

そうしたら勝手に治ってた。
それが自然のいのちの妙。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は「あなたを安眠へと誘う」秋の野草たちをご紹介します。

野草×発酵ライフ
いのちがめぐる暮らしのすすめ

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