実はすごい!「ひっつき虫」
皆さん、こんにちは!
ちょっとずつ冬の空気感が漂ってきて、野草も土に還るためそのエネルギーを凝縮させていっているのを感じますね。
この季節になると、この野草をよく見かけませんか?
写真を見てもらったら、
“あーこれか!”
と思った方もたくさんいらっしゃると思います。
そうです、、、あの「ひっつき虫」です!
種がセーターやスウェットにひっついてくるので、取るのが面倒で嫌われてますよね。
(野草を摘みから帰ってくると、必ずひっついてます)
私たちが「ひっつき虫」と呼んでいるこの野草は、「センダングサ」といいます。
「センダングサ属」は、日本ではあまり注目されていませんが、海外(アメリカ)ではハーブとして利用されている歴史ある野草で、様々な薬理学的研究も盛んに行われています。
今回はそんな「センダングサ属」についてお伝えしていきたいと思います!
アメリカセンダングサについて
センダングサに似ていることから「アメリカセンダングサ」と名付けられました。
原産は北アメリカで、かなり昔に日本にやってきたので、センダングサの元祖です。
ちなみに漢字では『亜米利加栴檀草』と書きます。
このアメリカセンダングサ以外にも、外来種のコセンダングサ・コシロノセンダングサ(コセンダングサの変種)・アイノコセンダングサ(コセンダングサとコシロノセンダングサの雑種)・アワユキセンダングサがあります。
また、沖縄に自生している「さし草」(こちらも外来種です)に、素晴らしい薬効があることがわかってきて、注目されてきています。
秋〜冬にかけて、花が咲いてきたり、種が服にくっついたりして、自然と目にする機会が増えますが、実は一年草で年中空き地や原っぱで多く見つけることができる野草です。
アメリカセンダングサの薬効
日本ではあまり価値がないとされているアメリカセンダングサですが、ネイティブアメリカンは葉で作ったお茶を、月経の治療や発汗を引き起こすために使用していたそうです。
(他には、儀式の際の浄化のアイテムとして使われていたそうです!)
アーユルヴェーダ医学では、腺硬化症、湿疹、頭痛、耳の感染症、歯痛、ハンセン病に使用されています。
これだけでも十分すごいのですが、成分と薬効を記載させていただきますね。
◆薬効について◆
アメリカセンダングサのチンキは、尿路粘膜の刺激、炎症、痛み、および出血の治療に使用されています。
また、良性前立腺肥大症の治療や尿酸の排泄の増加にも使用され、痛風発作のリスクを軽減します。
これに加えて、心臓の動悸、咳、子宮の疾患を治療すると報告されています。
他には、ブドウ球菌感染症に対しても有効です。
粘液膜に対するその収斂性と抗炎症効果があり、胃炎、潰瘍、下痢、潰瘍性大腸炎の強壮剤および予防剤として作用されています。
お茶は、花粉症やアレルギー、感染症、または汚染による副鼻腔炎の頭痛に役立ち、粘液の分泌と去痰を増加させ、浮腫と腫れを軽減する働きがあります。
根または種子は、喉の炎症の去痰薬として使用されます。
参考文献:Useful Temperate Plants (Bidens frondosa)
コセンダングサの成分と薬効
この野草が一番馴染みがある「ひっつき虫」だと思います!
見分け方は「種子(実)」の部分です。
(左:アメリカセンダングサ / 右:コセンダングサ)
コセンダングサにもたくさん薬効があるので、こちらも記載させていただきますね。
◆コセンダングサの成分◆
ポリアセチレン、ポリアセチレン配糖体、フラボノイド、フラボン配糖体、オーロン、カルコン、オカニン配糖体、フェノール酸、テルペン、フェオフィチン、脂肪酸、フィトステロールに属する主要な化学成分 etc…
◆コセンダングサの薬効◆
抗マラリア、抗アレルギー、抗高血圧および平滑筋弛緩、抗癌、抗糖尿病、抗炎症、抗菌 etc..
参考文献①:Bidens pilosaの化学と薬理学:概要(Chemistry and pharmacology of Bidens pilosa: an overview)
参考文献②:Bidens pilosa L.の薬理学的可能性と、 UHPLC-QqQ LIT -MS/MS および GC/MSを使用した生理活性化合物の測定(Pharmacological potential of Bidens pilosa L. and determination of bioactive compounds using UHPLC-QqQLIT-MS/MS and GC/MS)
タコウギの成分と薬効
アメリカセンダングサにとてもよく似ている「タコウギ」という野草があります。
こちらも「キク科センダングサ属」で、アメリカセンダングサと同じグループの野草なのですが、実はこちらの野草もすごいんです。
(アメリカセンダングサは、別名「セイタカタコウギ」とも呼ばれています)
見分け方は「花の周りの葉っぱ」です。
左がアメリカセンダングサで、右がタコウギです。
では、こちらの成分と薬効もご紹介していきたいと思います。
◆タコウギの成分◆
フラボノイド(ケルセチン)、キサントフィル、カロテノイド、アントシアノシド、ステロール、カフェイン、タンニン、トリテルペン、クマリン、リノール酸、ビタミンC etc…
◆タコウギの薬効◆
全草は収斂剤、下剤、鎮静剤、発汗剤、利尿剤として使用され、さまざまな腎臓や膀胱の問題、下痢、大腸炎の治療のためにハーブティー(お茶)の形で推奨されています。
その収斂作用により、出血、子宮出血、血尿および潰瘍に対して投与され、脱毛症に対しては外部から使用されます。
花が燃える際に発生する臭いには強力な防虫作用があります。
(ネイティブアメリカンはこの臭いを活用して、害虫駆除を行なっていたそうです)
参考文献:Bidens tripartita(タコウギ キク科センダングサ属)
センダングサの活用術
センダングサについて検索すると、日本のサイトでは効果効能も出てこず、また、生葉のまま食べると苦味が強いので、一般的には食べられることがない野草です。
ですが、E&Wラボでは、葉っぱと柔らかい茎を秋の野草料理の定番として活用しています。
たっぷりのオイルとニンニクで炒めると、単なる苦味が旨味のある苦味に激変します!
特に、「野草カレー」には必須アイテム!
(ページ下部に「野草カレー」のレシピ動画を掲載しております)
他には、野草の天ぷら、野草餃子、野草のハンバーグ、野草ジェノベーゼやパスタなどなど、いろんな料理に取り入れています。
枯れてきた頃のものは、野草茶に入れたりして、一年中フル活用しています。
枯れ葉と一緒に、葉っぱや茎だけでなく、種も一緒に土鍋で炒ってお茶にします!
野草との縁を大切にする。
「センダングサ」(アメリカセンダングサ・コセンダングサ etc…)と検索すると、
除草剤のことだったり、生態系を乱す要注意外来生物であることだったりと、日本においてこの野草がどれだけ邪魔者扱いされているかがよくわかります。
生態系を乱すことに対して無関心なわけではありません。
生態系を乱す存在を除草剤で駆除して、、、
その方がよっぽど生態系に毒だと思います。
こういった邪魔者扱いされている野草たちの価値にも気づき、共存共栄していくことが、一番大切なことではないかと思っています。
私自身、センダングサにたくさんの薬効があることを知ったから活用するようになったのではなく、身近に生えていたからたまたま活用していて、気になって色々と調べていたら薬効がたくさんあったというルートを辿って今に至っています。
(邪魔者扱いされている野草が大好きだったというのも活用するようになった大きな理由です!)
センダングサのように、私たちが知らないだけで、本当はすごい可能性を秘めた野草が実はたくさんあります。
私は、“活用できない野草はない”と思って、野草との縁を何よりも大切にしています。
ぜひこの記事を読んでくださった方には、縁を感じる野草をどんどん生活に取り入れて行ってほしいと思っています。
一人一人がそんな感じで野草を活用するのが当たり前になったら、社会も地球もきっと大きく変わると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました♪
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