【古来の浄化術】「黒焼き」の驚くべき力|究極のデトックス(浄化)アイテムとその作り方

こんにちは。

E&Wラボ代表
松・雑草発酵錬菌術師の小釣はるよです。

私は日々「松と野草の発酵活用術(発酵錬菌術)」を研究・発信していますが、今日は古くから伝わる黒焼き(くろやき)についてご紹介します。

「黒焼き」という古くからあるアイテムをご存知ですか?
この知恵は、単なる民間療法ではなく、古来の日本人が自然と共生し、暮らしを整えてきた深い哲学が詰まっています。

私が黒焼きの力に改めて感動したのは、今年の一月、石垣島でのリトリート企画でした。
参加者のお子さんが高熱で寝込んでいた際、サポートスタッフの野草マイスター「佐々木琢子さん」が持っていた「梅干しの黒焼き」を口にしたところ、劇的なデトックスが起こり、体調がすっきりと回復したのです。

この出来事をきっかけに、私は黒焼きと灰の魅力に取り憑かれ、その知恵を深く掘り下げています。
今回は、その歴史、現代に活きる効能、そしてご自宅で実践できる丁寧な手仕事としての作り方まで、分かりやすくまとめました。

黒焼き・灰とは?
古来より伝わる「浄化の知恵」と呪術的背景

黒焼きとは、薬草や木材を空気を遮断した状態、あるいは弱い酸素供給のもとで炭化させ、灰になる手前で止めたものと思っていただいても大丈夫です。

そして、この炭化物をさらに燃やし尽くし、完全燃焼させたものが「灰」です。
古来、灰もまた、浄化や暮らしを整える知恵として使われてきました。

薬効を残す黒焼きと、アルカリ性ミネラルが濃縮された灰。
どちらも日本の民間療法・伝統療法で広く使われ、特に陰陽五行思想の中で「浄化の知恵」として伝承されてきました。
昔の人々は、体調がすぐれないときにこれらを粉にして飲んだり、お粥やお茶に混ぜて使ってきたのです。

物質(成分的な要素)とエネルギーを両方とも摂れる貴重なアイテムであり、単に科学的な成分だけでなく、念を込める祈りの効果や、古くは呪術的要素も深く関わっていたとされます。

補足:黒焼きと陰陽五行思想

  • 陰陽思想との関連: 黒焼きは、マクロビオティックや伝統食養の分野において、食材を極限まで加熱することで「極陽性」を持つようになるとされます。陰陽のバランスが崩れ、陰性(冷え、病)に傾いた体を、極陽性の力で立て直すという理論があります。
  • 五行思想の「火」と「水」: 五行思想では、「火」は浄化・変容の象徴であり、「水」(体内の毒素、湿気)を克服するもとのとして、火と水は相剋の関係(水剋火)を持ちます。黒焼きや灰を作る「火入れ」のプロセス自体が、不要なものを焼き切り、新たな価値(ミネラル、吸着力)に転化させる「浄化の儀式」と捉えられます。

間違いやすい「灰」や「炭」とは別物! 黒焼きの決定的な違い

黒焼きの真価を知るには、「灰」や「炭」との違いを理解し、使い分けることが大切です。

  • 灰(はい):完全に燃え尽きた後に残る。強いアルカリ性。洗浄や灰汁取り、強力な毒素吸着に使われてきた。
  • 炭(すみ):酸素を遮断して焼いたもの。吸着力が強く、消臭や環境の浄化に役立つ。
  • 黒焼き(くろやき):燃やしきらず炭化させたもの。薬効成分(有機成分)を残したまま炭化させるため、デトックスと薬効の両方を体内で活用できる特別な存在。

黒焼きと灰が持つ「古来の力」

古来より、黒焼きと灰はそれぞれ異なる役割で、人々の健康と暮らしを支えてきました。
この二つの「黒い知恵」が持つ力を、暮らしに取り入れてみませんか。

黒焼きが持つ「極陽性の力」と5つの効能

東洋思想において「極陽性」とされる黒焼きは、冷えや不調で「陰性」に傾いた体を整える助けになると伝統的に考えられてきました。

  1. 極陽性による温活: 黒焼きは極陽性の炭素やミネラルを多く含み、体温を温め、冷えを和らげる働きが期待できます。
  2. デトックス作用: 炭化によって生じる微細な孔が老廃物を吸着し、排出を助けます。これは腸の働きを整える助けとなります。
  3. 精神を落ち着ける作用: 昔から黒を取り入れると心が静まるとされ、忙しい日常の中で心をリラックスさせる働きが期待できます。
  4. 消化の助け: 弱った胃腸を穏やかに整え、消化を助ける助けになるといわれてきました。
  5. ミネラル補給: 灰分に含まれるカリウム、カルシウム、鉄などのアルカリ性ミネラルが濃縮されており、手軽に体を元気にする栄養素を補給できます。

灰が持つ「強力な浄化・吸着の力」と3つの活用術

完全に燃焼しきった「灰」は、黒焼きとは異なる、純粋な浄化と吸着の力を持っています。

  1. 強力な吸着・排出: 過去には腸内の不調を和らげる民間療法として用いられました。アルカリ性や活性炭的な性質により、有害物質や毒素を強力に吸着し、排出を助ける知恵です。
  2. 洗浄・灰汁取り: 強いアルカリ性を持つため、古くから食器洗いなどの自然派の洗浄剤や、料理の際の灰汁取りとして活用されてきました。
  3. 場と水の浄化: 湿気やにおいを吸着する力があり、天然の除湿剤や消臭剤としても機能します。また、水を浄化する作用も期待されてきました。

薬効(生命力)を残す「黒焼き」と、純粋な浄化力(吸着・アルカリ性)を持つ「灰」。
この二つの黒い知恵を、ぜひ丁寧な暮らしに活かしてください。

【丁寧な手仕事】
「黒焼き」と「灰」の作り方

「手間をかけて安全なものを作りたい」という皆様のニーズに応え、ご家庭で実践できる伝統製法をご紹介します。

黒焼きは、低温(250〜380℃)で、半密閉・部分通気という特殊な環境で、2〜3時間をかけてじっくりと作っていきます。
この工程こそが、炭素、有機残渣、ミネラルを残し、さらに「エネルギー(情報、精霊)」を宿す鍵となります。

【黒焼き(炭化)の基本工程】

  1. 材料の準備と乾燥:野草や穀物、梅干しなどを天日干しして、よく乾燥させます。
  2. 容器への密閉:缶や土鍋に材料を入れ、小麦粉と水を練ったペーストで、蓋と本体の接合部をしっかりと密封します。(空気の流入を最小限に抑える)
  3. 加熱:密封した容器を火にかけ、加熱時間(目安:2〜3時間)中は音の変化を集中して聞きます。
  4. 完成と保存:黒く炭化したら完成。すり鉢で丁寧に粉末にして保存します。

【灰(完全燃焼)の基本工程】

灰を作る場合は、黒焼きと同様に密封して加熱し、煙の変化を確認します。

  • 加熱が進むと、最初は白い煙が出てきます。
  • 煙が透明になり、最終的に出なくなるのが、完全に燃え尽きた(=灰になった)サインです。

準備物

◾️小麦粉:蓋の密封に使います。
◾️水:小麦粉を練るために使います。
◾️缶や土鍋:黒焼き・灰にする材料を入れる容器。
◾️黒焼き・灰の材料:目的に応じて選んでください
◾️すり鉢/すりこぎ
◾️黒焼きにしたい素材:梅干し・松・野草など・・・
※私が試しに黒焼き・灰にしてみたもの(一部):松(松ぼっくり、松ジュースの繊維)、梅干し、野草(ヨモギ、ドクダミ、スギナなど)、海藻類、卵の殻など、身の回りの自然物や活用後の素材。

注意事項

火を使うため、取り扱いにはくれぐれもご注意ください。
屋内で行う際は、ガスコンロの使用上の注意事項をよく読み、必ず換気しながら行なってください。
屋外で行う際は、煙が出るため、近隣の方々のご迷惑にならないようお気をつけください。

究極の循環思想:
自然との共生を目指す方へ贈る、黒焼きの哲学

長く講座をしていると色んなご質問をいただきます。

例えば・・・
「乾燥して枯れてしまった野草はどうしたらいいですか?」
「お茶の涸らしはどうしたらいいですか?」
「松ジュース・松の還元水に使った後の松の繊維はどうしたらいいですか?」
という、枯れた野草や活用し尽くした後の素材の活かし方について、たくさんご質問をいただきました。

これまでは「感謝して(そのまま)土に返す」ということで、私もそうしていたのですが、黒焼きや灰の概念を知ってから、循環思想をインストールできた気がしています。

「ただ燃やすだけでしょ」と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではないんです。

それは「見た目上(形ある世界)」のことで、何を思って行うかということが問われます。
また、その燃やすという行為が「意を込める入れ物」を作る重要なプロセスです。

形と意(想い)が「=(イコール:即)」の関係になるようにしていきます。

火を使う儀式がたくさんあるように、人間にとって「火」とは文明の初心の象徴であり、「黒焼き」や「灰」を作っていく工程とは、自然物を剋すことによって、新たな生命的価値を付加する「祈り」そのものだと思っています。(相剋相生が矛盾なく同時に行われる!)※子ども時代ぶりに『花咲か爺さん』を読んで、「スゴっ!!!!」となった私です。

こうして付加された生命的価値は、また新たな生命的価値を生む。

作り続けるという「正の発展」でなく、
死によって生を生かし、生によって死を生かす。
そしてまた・・・という循環思想を学びました。

ただ体に良いとか、心や場を清めるといった効果効能や作用を目的にするのではなく、「黒焼き」や「灰」を通して、この循環思想を皆さんとで養っていけたらと思っています。

耳かき一杯から始める循環生活

黒焼き、灰ともにエネルギーが非常に高いため、まずは耳かき一杯の量から試されることをおすすめします。

  • 内服:解熱・整腸・口腔ケア
  • 外用:スキンケア・湿布・黒炭軟膏
  • 温熱:入浴剤・炭温灸
  • 浄化:吸湿・香りによる清浄&気の調整
  • 発酵:酵母や乳酸菌の活性安定

など色んな用途で活用できます!
身近なところでは、頭痛や胃腸の調子、風邪の時、心の疲れなどなど、さまざまな体験談が出てきてるのでしばらく続けてみたいと思います。

身近な体の声に耳を傾け、日々の体調管理に黒焼きを取り入れてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

文字では伝えきれない、火の入れ方や素材を見極める知恵については、松の底力講座や年間オンライン講座などでお伝えさせていただいています。ご興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。

<執筆・監修>
小釣はるよ – E&Wラボ 酵素と野草研究所 代表
松・雑草発酵錬菌術師-どこにでもある「雑草」たちを、私たちの生命を輝かせる「宝物」に変える”錬金術”と”錬菌術”をお伝えしています。(プロフィールはこちらから

★関連サイト
https://lit.link/haruyoeandwlabo

★著書
・野草を宝物に(ヒカルランド /2019年)
・野草マイスターのゆる魔女レシピ(ヒカルランド /2020年)
・[新装改訂版]野草を宝物に(ヒカルランド /2023年)

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本記事の情報の位置づけについて

本記事でご紹介する黒焼きと灰に関する情報は、古来より伝わる民間療法、および東洋思想(陰陽五行、極陽性など)に基づく知恵であり、現代の西洋医学でいう特定の疾病の診断、治療、または予防を目的とするものではありません。体調に不安がある場合や、現在投薬治療を受けている方は、必ず医師または専門家にご相談の上、自己責任でご活用ください。

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